ストレスでアトピーが悪化する理由は?(前編)
アトピーとストレスの関係性は?
アトピーとストレスは密接に関係しています。ストレスが原因で、アトピーの症状が悪化する場合もありますし、ストレスが原因で、アトピーを発症する場合もあります。ストレスがアトピーにどのように影響するかは、年代によっても異なります。
例えば、乳幼児から小学生くらいまでは、ストレスが主な原因でアトピーになることは多くありません。しかし、中学や高校、成人になると、受験や仕事、育児や人間関係などのストレスが原因でアトピーを発症することが多くあります。
また、アトピーのかゆみは、大人も子供も関係なくツラいものですが、大人と比べ小さなお子さんは、かゆみに対してストレスを強く感じやすく、かゆみのストレスが原因で、症状を悪化させる場合があります。
「かいたらダメ!」など親から注意されることがストレスとなってアトピーに影響することもあります。
中学や高校性、成人では、アトピーの見た目のコンプレックスからストレスを感じてしまい、精神的な面から症状を悪化させてしまうことがあります。また、アトピーのかゆみで勉強や仕事などに集中できず、それがストレスとなることもあります。
どうして、ストレスはアトピーに影響するの?
なぜストレスは、アトピーの症状を引き起こしたり、アトピーの症状を悪化させるのでしょうか?その原因と考えられているものに、「コルチゾール」という成分があります。コルチゾールは、精神的なストレスを感じた時に副腎や表皮細胞等で作られます。このコルチゾールは、体内で作られる自然のステロイドです。ステロイド(コルチゾール)は、筋肉の血流を増やしたり、血糖値を増やすなど一時的に体を強化する働きがあります。
サバンナに住む草食動物が、ライオンなどの肉食動物に襲われた時、草食動物は強いストレスを感じて、ステロイドを作り出し、肉食動物から逃げ出すのをサポートします。
また、スポーツ選手がドーピング検査で失格になったと耳にすることがありますが、その際、筋力を強化するために使用されているのが、ステロイドなのです。ステロイドには、他の働きもあります。アトピーの治療にも使われている抗炎症作用です。
次回のコラムでは、ストレスによって生産されたコルチゾール(ステロイド)がアトピーにどのように影響するかなど掘り下げてご紹介します。