アトピーの悪循環
かけばかくほど、かゆみは増す
アトピーのしつこいかゆみは、苦しくつらいものです。かいてはいけないと分かっていても、我慢できなくてついついかいてしまいます。また、かけばかくほどかゆみが増してさらにかいてしまい、かき壊しを起こしアトピーの悪化の原因にもつながります。どうして、かけばかくほど、かゆみは増すのでしょうか。
かゆみが起きる詳しいメカニズムはまだ解明されていませんが、かゆみが起きる要因の一つとされているものに「ヒスタミン」があります。ヒスタミンは、皮膚に存在するかゆみを起こす細胞(マスト細胞)から分泌され、かゆみを伝える伝達物質の一つです。アトピーの肌は刺激に弱く敏感になっているため、「かく」という刺激が、かゆみの伝達物質であるヒスタミンの分泌を促し、かけばかくほどかゆみが増すと考えられているのです。
※「かゆみ」は、アトピーやアレルギーなどが原因の他に、糖尿病や肝臓病などの内臓系の病気や、血液の病気などが原因で起こるものもあります。
症状がひどくなるアトピーの悪循環
アトピーは“悪循環”に陥りやすい病気です。そのため、完治するのに時間がかかり、また完治するのが難しくなります。悪循環の原因の一つに「かき壊し」があります。アトピーの肌は、バリア機能が低下しており、かゆみの原因となるアレルゲンの侵入や肌への刺激に弱い状態となっています。刺激によって強いかゆみが発生し、常にかき続けているため、皮膚が傷つき「かき壊し」を起こしてしまうのです。かき壊しになると、バリア機能はさらに低下していまい、さらにかゆみが発生してかき壊しがひどくなる・・・このような悪循環に陥ってしまうのです。
かゆみがストレスを増やし、アトピーを悪化させる
かゆみは、日常生活を過ごす上でとてもストレスになります。かゆみのせいで勉強や仕事に集中できなくストレスになったり、「かゆい」ということ自体が強いストレスでもあります。また、かゆみによって熟睡を妨げられることもあります。これらのストレスは、かゆみを強くしアトピーをさらに悪化させる原因にもなっています。