アトピーの色素沈着って何?その原因は?
アトピーの症状を繰り返していると、肌が黒く色素沈着することがあります。色素沈着などアトピーで起こる見た目の変化は、アトピーの方の悩みのひとつと言えます。
アトピーによってできた色素沈着は改善するのでしょうか?
どうしてこのような色素沈着が起きるのでしょうか?
今回は、アトピー肌の色素沈着についてお話していきます。
色素沈着はステロイドが原因?
「ステロイド剤を塗ると、色素沈着が起きて肌が黒くなる」という噂が、インターネットなどでよく紹介されています。
これは事実ではありません。
『神奈川県皮膚科医会』のサイトにも説明されていますが、ステロイドによって肌が色素沈着するということはありません。では、どうしてアトピー肌は色素沈着するのでしょうか?
その原因は、炎症です。『炎症後色素沈着』と呼ばれるようです。やけどの後や、擦り傷などでかさぶたができた後に、皮膚に色素沈着が起きているのを見たことあると思います。
実は、やけどの後や擦り傷の後の色素沈着、それに、日焼けによって肌が黒くなることも、アトピーによって起きる『色素沈着』と同じメカニズムなのです。アトピーや日焼けで、肌の色素沈着する流れは以下の通りです。
■アトピー → 炎症 → サイトカインが分泌 → メラニン産生 → 色素沈着
■日焼け → 炎症 → サイトカインが分泌 → メラニン産生 → 色素沈着
色素沈着は改善するの?
黒くなった日焼けあとが、時間とともに消えていくのと同じように、アトピーで起きた肌の色素沈着も時間の経過とともに消えていきます。
これは肌のターンオーバーによるものです。
このターンオーバーは、『表皮」と呼ばれる肌の一番外側の部分で行われるものです。色素沈着した表皮が剥がれ落ち、色素沈着の少ない表皮が前面に表れるのです。
アトピー肌の場合、炎症が長期間、繰り返し起きており、メラニンが多く産生されているため、肌が元の色に戻るまでには時間がかかる場合があります。
しかし、シミとなって残る場合があります。長期間の炎症や、繰り返される炎症によって、メラニン色素が肌の『表皮』の奥の『真皮』にまで到達してしまい、ターンオーバーできないためです。
メラニン色素を『真皮』にまで到達させないコツは、炎症の期間を短くすること、炎症になる回数を少なくすることです。
アトピーの場合は、しっかり保湿ケアを行い、炎症を引き起こさないことと、炎症が起きた場合は、病院に行き早めのケアをしましょう!!